「人月の神話」を読んで
人月の神話【新装版】 を読んで。
有名過ぎる名著なので、気に入った一節を抜粋。
第2章 人月の神話
人月
コストは実際に人数と月数の積に比例する。が、進捗はそうではない。したがって、仕事の大きさを測る単位としての人月は、疑うべき危険な神話なのだ。人月は、人と月が互いに交換できるという意味だからである。 人と月が交換可能になるのは、多くの作業者の間でコミュニケーション(意思疎通)を図らなくても、仕事が分担できる場合だけである。これは小麦を刈り取るとか、綿を摘むとかいうことには当てはまるが、どうがんばってもシステムプログラム開発には当てはまらない。 仕事が連続して分担できない場合、人を増やすという対策はスケジューリング上、何の効果も生まない。女性がどれほどたくさん動員されたところで、子供1人が生まれてくるまで十月十日かかることに変わりないのと同じだ。多くのソフトウェア開発作業は、デバッグという順次的性質があるためにこうした特徴を持っている。 分担はできるがサブタスク間でのコミュニケーションが必要な仕事においては、コミュニケーションを図る労力を、こなすべき仕事量に追加しなければならない。したがって「人」を「月」と交換してもお粗末な結果しか得られないだろう。
- 作者: Jr FrederickP.Brooks,Jr.,Frederick P. Brooks,滝沢徹,牧野祐子,富澤昇
- 出版社/メーカー: 丸善出版
- 発売日: 2014/04/22
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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